抄録
本研究では,20nm-0.5μmの粒径を持つ粒子を「メソ粒子」と定義し,開発した光学顕微鏡に高強度紫色レーザーを組み合わせたナノ粒子分析装置により,様々な凝集条件下において生成するメソ粒子のゼータ電位と粒子数を調べた.通常,ポリ塩化アルミニウム(PACl)は中性域で粒子が荷電中和することが報告されているが,メソ粒子はpH5付近で荷電中和することが明らかとなった.これは,通常の凝集条件ではメソ粒子が負荷電のまま残存することを示すものである.PACl注入量を増加させてもメソ粒子の荷電は中和することなく,粒子数のみ減少した.これらの結果から注入したPAClが形成する粒子にメソ粒子が補足されることで,共沈・除去される機構を提案した.