抄録
貯水池富栄養化対策としての圧縮空気を用いた気泡循環を対象として複数ダムでの現地調査を行った.現地調査結果から,実用的条件ではプルーム数が先行研究事例に比べて極めて小さいため,装置近傍の気泡噴流形態は成層強度に比べて気泡浮力が十分大きい条件で生じるタイプに限られるとともに,副次的に生じる広域的な流動構造はイントルージョンを含む3層の水平密度流であると限定してよいことが分かった.広域密度流の流量に関するシンプルな経験式を,現地調査結果と先行研究例に基づき吐出水深,空気量および周囲水の密度勾配の関数として提案した.適用条件に留意すればこの経験式は工学的有用性があると考えられる.