抄録
浸漬型膜分離活性汚泥法における施設の省エネルギー化実現に向け,膜ユニットに邪魔板を設置し,流体の挙動を制御することによるファウリング低減の可能性を検討した.散気管より発生したエアを邪魔板に溜めてから放出させることにより,粗大気泡を発生させることができ,膜面空間平均せん断応力が通常の曝気方法よりも1.5倍程度大きくできることが示された.また,邪魔板より発生した気泡は,スラグ流に近い状態で膜間へと侵入し,瞬間的に大きなせん断応力を膜面に与えることが示され,スラグ流がファウリング抑制に効果的である可能性が示唆された.本研究により,MBRへの邪魔板適用の有用性が示唆された.