抄録
本論文は,都市域における中小河川の親水利用に向けて,急な大雨に対する河川増水初期の流出特性を検討したものである.大都市で普及している合流式下水道の流出特性を適切に表現するため,都市貯留関数モデルを用い,東京都区部に位置する中小河川善福寺川を対象に,10洪水のデータをもとに降雨流出特性を解析し,増水初期において退避行動が可能な時間を検討した.また,今後予定されている下水道施設の整備により初期雨水が貯留された場合についても同様の検討を行い,流出特性の変化が親水利用に及ぼす影響について考察した.