土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第44巻
地方都市・農村域における汚泥処理機能の統合化による温室効果ガス排出削減効果の解析-群馬県を対象としたケーススタディー
中久保 豊彦小林 緑
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2016 年 72 巻 6 号 p. II_45-II_56

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抄録

 本研究では群馬県を対象とし,地域特性としてごみ焼却施設にボイラ・タービン発電の導入が想定されるごみ処理広域化ブロック,乾式メタン発酵の導入が想定されるブロックに類型した.特徴的なそれぞれのブロック(前者:太田館林,後者:吾妻)において,し尿・浄化槽汚泥等の処理・焼却機能をごみ焼却施設や下水処理施設に統合化する更新ケースを設計し,エネルギー消費量と温室効果ガス(GHG)排出量で評価した.太田館林ではし尿処理施設で発生する脱水汚泥をごみ焼却施設で乾燥・混焼させる連携ケースの導入により,熱回収ケースと比較してGHG排出量を13%削減できる可能性を示した.吾妻ではメタン発酵を活用してし尿処理施設を廃止させる連携により,15%のGHG排出削減効果が得られる結果となった.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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