抄録
下水汚泥のエネルギー利活用の推進が求められる中,本研究は下水処理場と産業工場,ごみ焼却場のインフラとの連携による全国でのGHG削減効果とその影響要因について分析した.まず全国の下水処理施設での未利用汚泥熱量と各地域の汚泥熱量と産業工場,ごみ焼却場の受入可能熱量との関係について考察した.次に,各汚泥燃料化技術のGHG収支をもとに汚泥燃料の産業工場,ごみ焼却場への配分ルールを設定し,下水汚泥の燃料利用による全国レベルでのGHG削減効果を推計した.分析の結果,150km圏内の製紙・セメント・石炭火力での汚泥燃料利用及び下水処理場と同一市町村内のごみ焼却場での汚泥混焼により全未利用汚泥量の約85%のエネルギー利用が可能であり679千t-CO2のGHGが削減されると推計された.さらに製紙工場での汚泥混焼率の変化がGHG削減量に及ぼす影響の地域的な特徴を明らかにした.