抄録
中国のCO2排出量は世界最大であり,全世界の20%以上を占める.国土が広く各省の特徴が異なる中国では,サプライチェーンの上流である産業と,下流である家計消費,人口,都市化率の両面からCO2排出量への影響を考慮し,将来の削減策を検討する必要がある.本研究では,現状の直接排出量及び家計消費に基づく誘発排出量を省市区別都市・農村別に推計した後,将来の経済発展や政策による間接排出原単位,家計消費,人口,都市化率の変化を考慮した省市区別誘発排出量を推計した.将来の地域開発政策や都市化,家計の消費構造の変化がCO2排出量を増加させる一方,上流の間接排出原単位の改善によりCO2排出量が減少することがわかり,上流への対策が排出量削減目標達成を大きく左右することが明らかになった.