抄録
小規模下水処理場での簡易運転型集約嫌気性消化導入を想定して,オキシデーションディッチ法からの脱水汚泥および模擬生ごみ試料を対象とした連続式および回分式嫌気性消化実験を行った.その結果,脱水汚泥では0.1~0.2 NL/gVS-投入程度の,模擬生ごみでは0.7NL/gVS-投入程度のバイオガス転換率が得られた.脱水汚泥および模擬生ごみを混合消化することで,単独の場合よりもバイオガス生成量が増加する相乗効果が確認された.脱水汚泥を投入することで消化汚泥の粘度は高まるものの,汚泥引き抜きや撹拌などの操作を簡易化することで対応しうると考えられた.栽培試験により,消化汚泥は液肥として活用可能であり,肥料効果は速効性であることが示された.