抄録
活性汚泥法の代替下水処理技術として一次沈殿処理の後段処理にDown-flow Hanging Sponge (DHS)を組み合わせた低コスト・低エネルギー消費型下水処理システム(一次沈殿+DHSシステム)を考案し,1,000日以上に及ぶ連続通水実験を実施した.その結果,衛生指標微生物としての大腸菌群及び糞便性大腸菌群の対数除去率は,DHSのHRTが0.8時間の時にはそれぞれ1.45 log,1.88 logと低かった.この時のBOD,SSの除去率は80%以下で,硝化反応も見られなかった.しかしDHSのHRTを3.2時間とすることで,大腸菌群及び糞便性大腸菌群の対数除去率は,2.73 log,3.15 logを示し,BOD,SSの除去率もそれぞれ90%以上を達成した.同一下水を処理している活性汚泥法による大腸菌群及び糞便性大腸菌群の対数除去率がそれぞれ2.55 log,2.19 logであり,BOD,SS除去率もほぼ同等だった.以上より,一次沈殿+DHSシステムは,HRTを管理することで活性汚泥法とほぼ同等の衛生指標微生物除去性能を得ることができる.