土木学会論文集G(環境)
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和文論文
原生動物の捕食回避を目的としたTCE分解細菌へのビオラセイン合成遺伝子群の導入
中村 寛治加藤 俊明石川 廣大柴崎 純一
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2017 年 73 巻 2 号 p. 39-46

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抄録
 高いトリクロロエチレン(TCE)分解能を有する2種類のCupriavidus属細菌に,抗原生動物活性を有するビオラセインの産生能の付与を検討した.トランスポゾンベクターを利用して,ビオラセイン合成遺伝子群vioABCDEを,対象とする2種類のCupriavidus属細菌の染色体上にそれぞれ導入した.トランスポゾンによってvioABCDEが導入された形質転換体は,ビオラセインの産生により,コロニーは青紫色を呈した.得られた形質転換体の中から,より高いビオラセイン産生能を有する2株を選出し,Spumella属の鞭毛虫による捕食実験を行った結果,2株共に捕食回避能を有することが明らかとなった.また,これら2株のTCE分解能を測定した結果,親株のTCE分解能は維持されることが明らかとなった.
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© 2017 公益社団法人 土木学会
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