抄録
早崎内湖における他者との交流価値の評価,交流価値の評価に影響を与える要因,交流価値に基づく保全活動意欲の関係を,質問票調査データを用いた共分散構造分析により明らかにするとともに,早崎内湖の現状や事業の状況の認知水準と居住年数の違いが,早崎内湖の交流の場としての価値評価と保全活動意欲に与える影響の差異を,多母集団同時分析により検証した.結果,地域への愛着や地域外の他者とのつながりの高い人は,早崎内湖の交流の場としての価値を評価していること,自治会内および来訪者・観光客との交流価値を評価している人は,その保全・利用促進への取組み意欲が強いこと,環境教育などのイベント支援の取組み意欲をより強めるのは,来訪者・観光客との交流よりも自治会内の交流を目的にする場合であることなどが明らかになった.