抄録
地下水は温度が一定で良質かつ豊富な水資源として生活用水,農業用水,工業用水など多様に利用されている.一方,過剰揚水による塩水化や地盤沈下といった地下水障害が社会・経済問題として顕在化している地域も多くある.富山県においても黒部川扇状地沿岸部で塩水化が進行している井戸が確認されている.本研究では,黒部川扇状地沿岸部に位置する「清水庵の清水」における塩水化の原因と取水対策による効果について数値実験を利用して検討した.その結果,塩水化の主な要因は黒部川扇状地の地下水位低下であることがわかった.自噴井の取水対策を想定した数値実験を行った結果,現在の自噴量の60~70 %削減した場合,塩水化の進行が停止し,80 %以上の取水対策を実施した場合,塩水化の進行が緩和する結果が得られた.