抄録
本研究では,高効率機器への転換等の技術的対策と都市機能の集約による再生可能エネルギーや地域エネルギー事業導入による低炭素効果を総合的に分析できる手法(地域エネルギー・低炭素街区モデル)を開発し,地方都市に適用して手法の有効性を確認するとともに,都市の低炭素化方策検討にあたって集約化効果を顕に取り入れることが肝要であることを示した.
開発したモデルを福島県郡山市へ適用して都市の集約化も含めた低炭素効果を分析した結果,2050年までに都市機能が郡山市の定める13の拠点地区に集約が進むと想定したシナリオでは,高効率機器への置き換え,太陽光発電の導入及び地域エネルギー事業導入等による合計の削減量は,郡山市の家庭部門及び業務部門のCO2排出量118.7万tCO2の22.7%に相当する27万tCO2となることがわかった.