抄録
霞ヶ浦土浦入では,Microcystisを主とするアオコがしばしば発生する.アオコの発生には,湖水中での増殖の他,吹送流に伴う輸送,底泥からの回帰,能動的な鉛直移動の影響が考えられているが,これらのMicrocystisの挙動が土浦入のアオコ発生に与える影響は不明である.そこで,多層レベルの生態系モデルを構築し,これら3つの挙動が霞ヶ浦土浦入におけるアオコ発生に与える影響を検討した.その結果,輸送をモデル上で表現することで,拡散に伴う現存量の減少を表現できた.また,実測で確認されるような局所的かつ一時的な高密度化を表現できた.底泥からの回帰が与える影響は大きいことが示唆されたが,実測ベースの現存量や変動を用いて再検討する必要が示された.また,鉛直移動の影響は輸送や回帰の影響と比較して小さいことが示唆された.