2017 年 73 巻 7 号 p. III_213-III_219
インドネシア共和国リアウ州ブンカリス島の北岸では海岸侵食が進行している.侵食が進行している土地は主に泥炭地であり,侵食が大きい北岸部では,ボグバーストと呼ばれる泥炭地崩壊の跡が発見された.ランサン島や近隣島嶼域でもボグバーストのような泥炭地崩壊が見られ,ブンカリス島と同様の泥炭地崩壊が進行していると考えられた.LANDSAT画像の解析により,リアウ州では年間約160haの土地が海岸侵食により失われていることがわかった.マングローブが存在しない場所では存在する場所に比較して侵食速度が大きいことがわかった.ブンカリス島の北岸においてはボグバーストだけで2010年時点で11万tの泥炭由来の炭素が海洋に流出していると推定された.