抄録
筆者らは,火山ガスの簡易なリスク評価法を開発することを目指して,九州の阿蘇山から放出された二酸化硫黄SO2の熊本平野における濃度変動の要因について検討している.本論では,阿蘇山の火山活動が活発化した2013年11月以降のデータを用いて,SO2の1時間値が環境基準値の半分50ppbを越えた事象を対象として,熊本平野内のSO2濃度と地衡風や地上風ベクトル分布といった気象データとの関連性について検討した.その結果,風速5~20m/s程度の東寄り地衡風が吹く晴天日に,あるいは東寄りの地衡風がより強く,日射の影響がない状況で,この基準を超える高濃度事象が発生することが明らかとなった.熊本平野北部地域については,このような条件下では地衡風の補償流として地上付近に北西風が発生することから,高濃度にはならないことがわかった.