2017 年 73 巻 7 号 p. III_323-III_328
本研究では,凝集とオゾン処理が,膜ファウリングへの関与が指摘されている水道原水中のバイオポリマーの除去性に与える影響を,高度に利活用された淀川原水を用いて,両処理プロセスの導入位置を変更させた実験条件(凝集処理→オゾン処理→膜ろ過処理およびオゾン処理→凝集処理→膜ろ過処理)において検討した.その結果,凝集処理を先に行うことで,バイオポリマーの減少が確認され,続いてオゾン処理を行っても,バイオポリマーの増加をほとんど生じないことが確認された.バイオポリマーの除去とオゾン酸化に伴う微生物からの放出に対する抑制効果およびオゾン注入率の削減効果から考えると,凝集処理を先に行うことが有効であると示唆された.