抄録
本研究では,操作性に優れた電気化学的オゾン生成還元促進酸化処理法を提案し,設計・操作条件に関する基礎資料を得ることを目的した.SnO2電極および固体高分子電解質膜(SPE膜)を用いたオゾン生成実験では,オゾンは連続的かつ安定的に生成され,電流効率は12 %同程度であった.OHラジカルプローブのp-クロロ安息香酸(p-CBA)の連続処理実験から,除去量は通電量の増加につれ増加し, その後減少する傾向にあった.p-CBAの総括除去速度が通電量および物質移動に律速されるとし, さらに発生ガスの影響を考慮した数学モデルを構築して実測値と比較すると, 両者の傾向は概ね一致した.また,90 %除去率でエネルギー消費量を計算し,他の促進酸化処理法(AOPs)と比較すると同程度であった.以上より, 本法は通電のみの簡易な操作で運転できるため,既存AOPsの代替法の一つとなる可能性がある.