抄録
下水汚泥TS17~21%の超高濃度嫌気性消化(中温35℃,HRT30日)について実験的に検討した.アンモニア阻害に対しては,消化汚泥のアンモニアストリッピング(約80℃,初期pH約9,約3時間,処理量は流入量の約120%)による回分操作で対応した.実験の結果,平均値でVS負荷率5.20 gVS/L-日という高負荷でも,標準的な下水汚泥嫌気性消化に近いVS分解率53.8%,ガス発生率0.470 NL/gVSという処理成績が達成された.アンモニアストリッピングでは除去率約75%が得られ,消化槽内アンモニアは3,300 mgN/L前後に維持された.アンモニア濃度が制御されれば超高濃度嫌気性消化は可能なものの,消化汚泥の粘度や脱水性の観点から撹拌,輸送,他の処理工程などにおいて課題の出ることも示唆された.