抄録
本研究は,廃棄物系バイオマスからエネルギー(水素・メタン)を生成することを目的とし,混合細菌による二段循環式高温(55℃)水素発酵槽と中温(35℃)メタン発酵槽を組み合わせ,キャッサバ残渣の連続処理実験を行った.プロセスのスタートアップと長期的に安定した処理を可能にする運転条件を明らかにするため,前段の水素発酵槽の水理学的滞留時間(HRT)を3日と固定し,後段のHRTを80日から12日と五段階に短縮し,スタートアップ期間の運転状況を評価した.長期運転において,ニッケル,コバルトおよび硫黄の添加の影響について検討したところ二段循環式発酵における有機物分解率とガス収率に影響を与えることが明らかになった.特に,硫酸ナトリウム(30mg-SL-1)を添加した場合には,炭水化物分解率(94.2%)とバイオエネルギーの収率(5.66 mol-H2kg-1VS-added,14.8 mol-CH4kg-1VS-added)が得られ,安定的な運転が可能となった.