土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第54巻
下水汚泥処理システムへのバイオガスコジェネレーションと発電排熱による熱処理の導入効果の検討
池田 聡神山 和哉北條 俊昌李 玉友
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2017 年 73 巻 7 号 p. III_97-III_104

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抄録
 下水汚泥の嫌気性消化における前処理として,バイオガス発電排熱を利用した熱処理を提案し,導入に適する熱処理条件を明らかにすることを目的として,初沈汚泥,余剰汚泥,混合汚泥に3つの温度による熱処理を行い,異なる条件での熱処理が下水汚泥の性状とガス生成ポテンシャルに与える影響の調査および汚泥処理システムのエネルギー収支に与える影響の検討を行った.分析の結果,熱処理は温度条件が高いほど下水汚泥の可溶化に効果があり,最も効果が顕著であった余剰汚泥への熱処理では無処理の余剰汚泥に比べて,CODCr,炭水化物,たんぱく質の溶解性物質量はそれぞれ10倍,3.5倍,74倍となった.回分実験によりメタンガス生成ポテンシャルを求めた結果,初沈汚泥への熱処理はガス生成量を減少させ,余剰汚泥への熱処理はガス生成量を増加させることが示された.ガス生成量の増加に最も効果のあった熱処理条件は余剰汚泥に70℃で熱処理を行った場合で,無処理の場合に比べてガス生成ポテンシャルは15%増加することが示された.ケーススタディによる異なる条件の熱処理を導入した汚泥処理システムのエネルギー収支の比較を行った結果,発電のみを行ったケースの電力自給率は60.1%であるのに対し,余剰汚泥に50℃,70℃の熱処理を導入したケースではそれぞれ62.7%,64.5%であり,発電排熱を利用する熱処理による嫌気性消化の前処理としての有用性が示された.
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© 2017 公益社団法人 土木学会
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