土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
和文論文
環境直接支払制度の普及要因に関する都道府県別パネルデータ分析
夏 吾太田中 勝也
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 74 巻 3 号 p. 110-116

詳細
抄録

 本研究の目的は,日本の農業分野における環境直接支払制度を対象として,その普及に関する決定要因を明らかにすることである.この目的のため,現在の支払制度である環境保全型農業直接支払交付金が開始された2011(平成23)年からデータが利用可能な2014(平成26)年までの期間について,都道府県レベルのパネルデータを構築し,経済・社会的な諸要因が,普及に与える影響を定量的に分析した.分析では,都道府県ごとの観測されない異質性を考慮するため,Pooled OLSに加えて固定効果モデルおよび差分モデルによる推計をおこなった.分析の結果,環境直接支払の普及水準は,面積あたり交付金額や営農状況,高齢化の度合いなどの諸要因により,複合的に規定されることが示された.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 土木学会
次の記事
feedback
Top