抄録
2016年8月,台風10号が北海道接近時に日高山脈付近で記録的豪雨が発生した.本研究では大気の安定度を示すブラントバイサラ振動数やそれを用いたフルード数によって,豪雨特性を分類し,議論することを目的とした.乾燥状態でのブラントバイサラ振動数と湿潤効果を含んだ湿潤ブラントバイサラ振動数をそれぞれ算出した.標高が高い地域では乾燥,湿潤状態に関わらず,ブラントバイサラ振動数が小さく算出され,大気はより不安定であることが示唆された.山間部周辺の大気の流れが持つ運動エネルギーと山を越えるために必要なエネルギーの比であるフルード数の大小によって豪雨の分類を行った.この結果,特に無次元数が大きい事例で標高が上昇するほど降雨量が増加し,より局所的な降雨がもたらされていたことが分かった.