2018 年 74 巻 5 号 p. I_241-I_248
本研究では,神田川上流域における豪雨イベントを対象とし,XRAINや地上観測雨量データを用いて,分布型流出モデルによる流出解析を実施し,計算流出ハイドログラフにおける再現性を検証した.計算流出ハイドログラフの再現性は,高密度の地上観測雨量データを使用した場合に最も高く,詳細な空間分解能を有するXRAINを用いた場合よりも高いことを確認した.また,XRAINの空間分解能をメッシュ雨量として分布型流出モデルに直接用いることで,流域平均雨量を用いた場合と比べて,全体的な計算流出ハイドログラフの再現性が向上することを示した.