抄録
本研究では,屋外空間の暑熱環境を簡便に可視化する手法を提案し,大阪府摂津市内の緑道ならびに公園を対象とした利用実態調査に基づく利用者属性の把握を行った上で,緑道空間の暑熱環境をモデル化した.提案手法の特徴は,画像における絶対輝度値と日射量を相関付けた日射量推定式を用意することにより,植栽による照光状態を描画した3次元CG画像から地表でのWBGTを推定する方法論にある.この手法により,未だ緑化されていない空間においても,3次元モデルとCGを用いて植栽シミュレーションを行うことで,期待される緑陰の暑熱対策効果を1℃未満の誤差で推定することが可能となった.