土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第46巻
都市規模による下水汚泥エネルギー転換システムの費用構造と技術選択-ごみ混焼発電と汚泥廃熱発電の比較-
八幡 聖人高山 大貴中尾 彰文山本 秀一吉田 登
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 74 巻 6 号 p. II_299-II_310

詳細
抄録

 本研究では,下水汚泥焼却炉が更新時期を迎える様々な規模の都市に対して,自立的なエネルギー回収(汚泥廃熱発電)と連携によるエネルギー回収(ごみ混焼発電)のどちらが得策であるかを,イニシャル・ランニングを合わせたトータルコストの費用構造を評価するモデルを構築し分析を行った.分析の結果,双方のエネルギー回収技術とも従来の汚泥焼却に比べて事業性において優位な技術であることが示された.また都市規模が3万人を上回る場合,自立的エネルギー回収が得策であることが明らかとなった.一方,この分析結果は汚泥の集約処理がなされていることを前提としており,分散された複数の汚泥焼却炉を有する都市の場合には,連携によるエネルギー回収が得策となる可能性に留意する必要がある.

著者関連情報
© 2018 公益社団法人 土木学会
前の記事
feedback
Top