2018 年 74 巻 6 号 p. II_287-II_298
本研究では,廃熱ボイラを持たない小規模ごみ焼却施設がエネルギー回収技術を導入した際の熱収支モデルの作成と技術導入時の費用対効果の推計を目的とし,和歌山県白浜町における事例分析を行った.モデル施設の熱収支解析をもとに,適用可能なエネルギー回収技術を導入した場合の発電量を推計した.加えて,技術導入時の費用対効果について推計した.分析の結果,小規模ごみ焼却施設においても適用可能なエネルギー回収技術が明らかとなった.費用対効果の面では,メタン発酵-ガス発電設備が最も優位な適用技術で,小規模発電も費用対効果の高い選択肢ということが明らかとなった.