抄録
人口減少地域での水道存続に向けた選択肢の一つとして,行政の維持管理によらない地域自律管理型水道に着目した.現地聞き取り調査から,(1)工事を含む維持管理の大半が自前でできていること,(2)利用者と維持管理主体が一致しており,断水などの多少の不便が許容されていること,(3)水道利用組合の作業が農村の互助のスキームと調和しており,担い手側が当面はその作業を受容できていることなどにより,簡易水道と比べても低コストで運営できていることがわかった一方,(4)水質リスク管理体制,(5)アセット情報の整備の2つの面では,現状の地域自律管理型水道は課題を抱えていると考えられた.これらの課題を解決する低コスト・シンプルな技術パッケージの提案と,地域自律管理を支える行政と専門家の支援体制づくりが重要と考えられた.