抄録
本研究では,リアルタイム性が高く,同時に負荷源の情報を得ることができる,蛍光分析による河川水質モニタリング手法の構築のための検討を行った.まず埼玉県内の環境基準点を含むを38か所の河川水の定期的な蛍光分析により1219個のEEMデータを取得した.次にPARAFAC解析により8個の蛍光成分を分離・定量した.このうち,3つは腐植物質,2つはアミノ酸であり,残りは,植物プランクトンの分解産物,蛍光増白剤DSBP,下水処理水に多い成分由来と同定された.最後に,BODと蛍光成分の回帰分析により,BODを高精度で予測する重回帰モデル式を作成した.このモデル式においては,藻類による負荷と下水処理水による負荷を分離検出するための蛍光成分が決定された.