抄録
水不足が深刻な乾燥地域開発途上国であるエジプトは,灌漑用水として下水処理水の再利用を推奨しているが,衛生学的な利用基準を満たしていない.最初沈殿池にDown-flow Hanging Sponge (DHS)を組み合わせた下水処理システム(初沈+DHSシステム)において,HRTを0.8~4.8時間の間変化させ,糞便性大腸菌群の低減を確認した結果,全てのHRTにおいてエジプトの灌漑用水基準(5×103 MPN/100mL)を達成することは困難であった.DHSの後段処理法として銅イオンによる殺菌処理を検討した結果,銅イオン濃度 2 mg/L,静置時間を2時間以上確保することでDHS処理水の衛生学的安全性を確保できると考えられた.また,銅イオンDHS処理水によるトマトの生長阻害及び葉への銅イオン蓄積は確認されなかった.