2018 年 74 巻 7 号 p. III_375-III_382
本研究では黒色の金属強化ポリエチレン管(採熱管)を用いた野外実験を行い,太陽熱温水システムの採熱性能を評価した.加えて,採熱管-送水管-放熱管の連成解析モデルを構築するとともに,モデルの妥当性を検証し,本数値シミュレーションによるコスト削減効果を検討した.その結果,本伝熱モデルにより,採熱から温水生成に至る過程の各流体温度の挙動を概ね再現することができた.さらに本モデルを用いた数値シミュレーションにより,システム稼動時間に着目して貯湯水温の変化を調べた結果,採熱量と稼動時間の関係を定量評価することができた.なお,コスト削減効果の一例として,本システムは稼動時間を最適化することで,福井市の一般的なガス給湯コストに比べて27%削減できることも分かった.