抄録
本研究では,戸建て住宅に設置されている浄化槽3基を対象に,浄化槽から排出される温室効果ガスCH4,N2O排出量を1年以上にわたり調査し,季節影響を踏まえた排出特性の解析を行った.その結果,CH4は,約90%が嫌気処理部から排出されており,N2Oは,約80%が好気処理部から排出されている事が確認された.CH4排出量は嫌気処理部に流入するDO量が低くなる際に増大する傾向となった.これは嫌気処理部底部の嫌気化が進むことでCH4生成量が増大するためであると考えられた.一方,N2O排出量は水温上昇期において,槽内のBODとNH4-Nが同時に高くなる際に増大する傾向となった.これは,浄化槽内に貯留する汚泥が可溶化しBODとNH4-Nが溶出することにより,好気処理部における硝化反応(亜硝酸酸化)が速やかに進行しなくなるためであると考えられた.