抄録
アユは内水面における有用種であるが,近年全国的に漁獲量の減少が報告されているため,減少要因を把握し,適切な資源管理をおこなう必要がある.本研究では,中国地方の一級河川である高津川,小瀬川,太田川,斐伊川を対象に,夏季における河川水温のモニタリングと,環境DNAを用いたアユの生息状況の調査を実施し,アユの環境DNA濃度およびフラックスと河川水温の関係性について検討した.その結果,アユの環境DNA濃度およびフラックスの流程分布パターンは河川によって異なっていた一方,全河川をあわせてみた場合,7月から8月までの平均水温が23℃前後の地点でアユの環境DNA濃度およびフラックスが多いことが示唆された.これらの結果から,本研究対象である4河川では,アユは,夏季における水温選好性がある可能性が示された.