抄録
本研究では有機性廃棄物から生分解性プラスチックの原材料となるL-乳酸を得る非滅菌高温L-乳酸発酵処理法の効率化について検討した.L-乳酸の収率向上のためには,でんぷん等の多糖の転換効率を上げることが重要になる.そこで,模擬生ごみを用いて,多糖からL-乳酸発酵を促進する成分の探索,共存物質としての有機性窒素化合物やミネラル分添加の効果,温度やpHの環境条件の影響について調査するとともに,多糖含有有機素材である多収穫米からの非滅菌高温L-乳酸発酵処理特性と効率化について検討した.共存素材の影響については,バナナの果皮が全糖分解およびL-乳酸発酵を促進すること,溶性でんぷんの発酵前の加熱処理効果は限定的であること,Yeast Extractおよびポリペプトンの添加は全糖分解率および乳酸収率を向上させることを明らかにし,米の発酵における最適添加濃度を把握した.一方,ミネラルの添加は,有機窒素窒素化合物添加に比べて促進効果が小さく,温度を37°Cから70°C,またpHを4.5から7に変化させた実験結果より,米を基質としたL-乳酸発酵において,温度55°C,pH5.5が最適条件であることを提示した.