2019 年 75 巻 5 号 p. I_185-I_191
自然界からエネルギーを得る発電施設の多くは,自然豊かな空間に立地している場合が多い.こうした空間での防災・減災対策を考えるにあたっては,グレーインフラを中心とした従来の方法のみだけでなく,環境との調和を考えた社会資本(グリーンインフラ)整備を目指すことが不可欠である.しかしながら,この概念についての歴史が浅く,十分な知見が得られていない.一方,近年,高精度な国土空間情報が公開されるようになり,アクセスが困難な各種発電施設の地理情報等の入手も比較的容易になってきた.本研究は,GISによる空間情報解析によって,兵庫県内の再生可能エネルギー関連施設を中心とした各種発電施設における自然災害の被災リスクの評価を試みた.