2019 年 75 巻 5 号 p. I_33-I_39
本研究では深層学習を用いて数値気象モデル出力を補正して,降水量を出力する手法を構築した.深層学習手法として畳み込みニューラルネットワークを用い,入力データとして詳細な都市環境を考慮した気象シミュレーション可能な雲解像モデルCReSiBUCによる降水短期予測実験結果の内,降水量と地上鉛直風速出力を用いた.予測実験結果と同時刻・同一セルに最近隣法を用いて内挿した気象庁解析雨量を教師データとして用いて降水量分布を出力した.
深層学習による補正前後の降水量2次元分布について気象庁解析雨量と比較した.その結果,特に地上鉛直風速出力を深層学習に入力した場合で,空間スケールの大きな降水事例について降水量分布が気象庁解析雨量に近づいた.しかしながら局地的な降水事例では,更なる改良が必要と考えられる.