2019 年 75 巻 5 号 p. I_25-I_31
本研究は過去および将来の気候において十勝川流域での洪水リスクの高い気象要因を明らかにするため,大量アンサンブル気候データを用いて各気候条件における8, 9月に発生した大雨の気象場を調べたものである.大雨発生時の気象場を自己組織化マップを用いた手法により台風を基準に分類し,各気候条件における気象場の発生割合および降雨の増加量を調べた.この結果,台風の接近事例や遠方で台風が影響する事例や台風とは無関係の事例のそれぞれが占める割合は気候条件間で多少の違いがあるものの全体的な降雨量の増大に対しては各気象場における降雨量の増大が支配的であることがわかった.また,いずれの気象場においても降雨は時空間的に集中化する結果となり,適応策の検討においては降雨量の増大および降雨の時空間特性の変化を考慮する必要性が示唆される.