2019 年 75 巻 5 号 p. I_73-I_80
気候変動による経済影響を評価するために用いられるプロセスベースの生物・物理的影響モデルや社会経済モデルは計算負荷が大きく,限られた数の将来シナリオの下でしかシミュレーションを実施することができなかった.この課題を解決するため,本研究ではプロセスベースの経済影響のシミュレーション結果を,少ない計算負荷で統計的に再現(エミュレーション)する手法の試作を行った.試作したエミュレーション手法は気温以外の要素や変数間の相互作用を考慮することで,特に気候変動の影響が明瞭に見られる場合において経済影響シミュレーションの結果を精度良く再現できることが確認できた.また,より精度の高いエミュレーションを実施するには,時間的・空間的により詳細な情報がエミュレータへの入力として必要である可能性が示唆された.