2019 年 75 巻 6 号 p. II_169-II_176
人口減少時代に突入した日本では,緑地や公園に対するニーズにも変化が生じている.今後の街づくりを考える上で,このような緑地や公園をグリーンインフラとして有効活用し,持続可能かつ自然と調和した暮らしやすい都市に転換していくための方策が求められている.しかしながら市民の緑地や公園に対するニーズは一様ではなく,年代や世帯構成,ライフスタイルなどによって異なる可能性が高い.そこで本研究では,茨城県守谷市を対象に,大規模アンケート調査(配布5,238世帯,回収1,332部,回収率25.5%)を用いて市民の緑地に対する意識の違いを明らかにした.潜在クラス分析と決定木分析の結果から,主に年代(40代以下と50代以上)や子育て経験,世帯収入などの違いによって緑地へのニーズが異なることが分かった.