土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第56巻
抗菌薬存在下での培養による活性汚泥中のESBL産生遺伝子の濃度変化
澁木 理央西山 正晃Wilai CHIEMCHAISRIChart CHIEMCHAISRI渡部 徹
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2019 年 75 巻 7 号 p. III_173-III_183

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抄録

 タイと日本の下水処理施設で採取した活性汚泥試料を,高濃度の抗菌薬を添加したLB培地で培養することで,ESBL産生に関わる耐性遺伝子(blaCTX-MblaTEM)の増減を調べた.併せて,耐性遺伝子の水平伝播に関わることが知られている挿入配列IS26,ISEcp1も定量した.抗菌薬にはβ-ラクタム系5種類に加えて,別系列のCPFXとTCも使用した.多くの汚泥試料では,AMPC,ABPC,CPFXを添加した場合に上記遺伝子全てが増加し,CPFXにも耐性を示すESBL産生菌の存在が示された.タイの病院排水処理施設の汚泥試料では,医療現場で重要視されているMRPM耐性菌の存在を示す結果も得られた.IS26とISEcp1はそれぞれ,汚泥試料培養時のblaTEMblaCTX-Mの増加と強い相関があった.

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