2019 年 75 巻 7 号 p. III_209-III_216
本研究ではライニング地中熱交換器(LBHE)の貯留水が保有する熱量(保有熱量)に着目し,流量制御型LBHE冷暖房システムを提案した.まずLBHEを対象に熱応答試験を実施し,LBHEの熱抵抗および周辺地盤の有効熱伝導率を調べた.その後,暖房実験を行って流量制御の有効性を検討した.暖房実験の結果,流量制御を伴う本システムは地中熱ヒートポンプシステムとして問題なく稼動して,空調運転3日目以降の地中循環水の水温およびLBHEの周辺地温は概ね前日の温度にそれぞれ回復することが確認できた.また,LBHEの単位長さあたりの採熱量はダブルUチューブのそれ(実績値)の約1.3倍でありながらも出口水温の低下は抑えられ,LBHEの保有熱量が有効に利用されることが分かった.