土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第56巻
地震リスクを考慮した送水管路更新計画のLCC最適化 ―マルチイベントモデルによる評価法の提案―
長谷川 高平荒井 康裕小泉 明
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2019 年 75 巻 7 号 p. III_73-III_84

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抄録

 老朽化が進む水道管路を限られた財源で合理的に更新する手法として,ライフサイクルコスト(LCC)を指標とした管路更新モデルがこれまで提案されてきた.しかし,水道管理の重要な一要素である地震リスクについては,複雑な確率事象であるため金銭化は容易ではなく,LCCに含まれてこなかった.そこで本研究では,政府によって詳細に整備された震源リストより被害を及ぼし得る震源を抽出し,個別の発生確率を与えるマルチイベントモデルによって地震リスクを期待値としてLCCに導入する手法を提案した.ケーススタディとして,甚大な地震被害が予想される実存地区を選定し、その地区に立地する送水システムを仮想して提案モデルを適用した結果,地震リスクの導入により非耐震管路の更新時期が5年から15年程度早期化された.また,普通鋳鉄管(CIP)の耐震化はK形ダグタイル鋳鉄管の耐震化に比べてより高い地震リスクの低減が可能であることが確認され,CIPの早期更新がLCCの低減に大きく寄与することが定量的に示された.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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