2019 年 75 巻 7 号 p. III_85-III_90
水中の微生物どうしの凝集が紫外線による不活化効果に与える影響を定量的に把握するため、アルギン酸とカルシウムイオンを用いて凝集させた大腸菌を含む試料に紫外線照射を行い、不活化効果を培養法で評価した。大腸菌の凝集状態は、初期大腸菌濃度(106, 107, 108CFU/mL)とカルシウムイオン濃度(0, 10, 20mM)で調整した。その結果、初期大腸菌濃度が108CFU/mLの場合のみ、高紫外線量域で凝集による不活化効果の低下を生じ、カルシウムイオン濃度20mMで不活化効果が最小となった。これは、初期大腸菌濃度108CFU/mLでは大腸菌を紫外線から遮断する大腸菌が十分に存在したためと考えられた。本研究により大腸菌濃度と凝集状態が大腸菌の不活化効果に影響することが示された。