2020 年 76 巻 3 号 p. 47-50
地上歩行性の小型哺乳類にとって道路による生息地分断は,ロードキルの発生や個体群間の交流阻害などの影響が懸念されるが,保全対策として設置される道路横断構造物は,主に中大型哺乳類を対象としている.小型哺乳類に対して適切な保全対策を講じるためには,既存の道路横断構造物での利用実態を理解する必要があることから,日本国内のオーバーパスにおいて地上歩行性の小型哺乳類による利用が調べられた2事例をもとに,適切な保全手法を提言することを目的とした.北海道での2事例において,ネズミ類とシマリスが植栽および高欄を利用することが示されたことから,これらが捕食者からのリスク軽減のために植栽と高欄を選択していると考えられた.したがって,地上歩行性の小型哺乳類による道路横断を促進するためには,植栽と高欄が重要である.