2020 年 76 巻 5 号 p. I_261-I_267
本研究では気象庁による観測を基に気温および降水量と積雪深の関係について推計し,2020年における積雪深の特徴をこれらの関係から明らかにした.2020年は積雪の少ない年であったが,その背景と考えられる気温と降水量の傾向は地域で異なり,北海道では記録的少雨,本州では記録的高温の年であった.これは各地域の気温および降水量と最深積雪の相関の傾向と一致した.さらに,地球温暖化対策に資するアンサンブル気候予測データベース(d4PDF)の日本域予測値を基に,対象期間で最深積雪が最も小さい年の気温と降水量の2℃,4℃上昇下の気候での出現頻度を算出した.気温2℃上昇時にも2020年のような少雪事例は1~2年に1度という高頻度で出現し,近い将来標準的な事例になる結果を得た.