2020 年 76 巻 5 号 p. I_343-I_351
福島県須賀川市の準用河川である笹平川の流域では,水害対策の一環として田んぼダムを進めており浸水効果について実証実験に取り組んでいる.本研究は2019年台風19号時に発生した浸水被害を対象として,上流域の水田貯留が下流域の浸水被害軽減に及ぼす影響を解析した.
台風時の水田への浸水状況を30cm貯水したと想定した場合,田んぼダムなしと比較して浸水面積は50%,浸水体積は75%減少した.これを基に本来の貯留能力を踏まえて,仮に20cm貯水した場合,浸水面積は25%,浸水体積は50%減少すると推定された.10cm貯水した場合,浸水面積は10%,浸水体積は25%減少すると推定された.以上より,笹平川の小河川において,計画降雨を大きく上回る洪水時,上流域の田んぼダムにより浸水被害を補助的に軽減する効果があることを示した.