2020 年 76 巻 5 号 p. I_43-I_48
宮城県東松島市に位置する野蒜海岸は全長2.8kmである.同海岸は漂砂系の末端に位置することから,以前より砂の堆積が問題となっていた.その最末端部には外海と松島湾の海水交換を促進するための人工的な水道が開削されており,過度な砂の堆積によりもたらされる海水交換機能の低下が松島湾内水質環境に影響を及ぼすものと危惧されていた.2011年東日本大震災津波の際,同海岸は大きな侵食を受けたため,海水交換機能は向上したものと考えられている.本研究においては,Google Earth画像の解析により震災前後における同海岸の砂の堆積速度を評価し,将来の海水交換阻害発生の可能性の検討を行った.その結果,再び砂の堆積が健在化するのは津波発生から約30年後であるとの評価結果を得た.