土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第48巻
リカレンスプロットの活用と畳み込みNNによる漏水判別モデルの構築
南 泳旭荒井 康裕國實 誉治小泉 明
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2020 年 76 巻 6 号 p. II_273-II_284

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抄録

 老朽化したインフラの維持管理は,人口減少社会を迎える我が国において重要な課題である.特に,ライフラインとしての役割を担う水道管路は,地中に埋設されるため,劣化状況を直接確認することができず,地下で発生した水道管路の漏水を早期に発見することは極めて困難である.こうした課題を克服すべく,最近ではインフラのヘルスモニタリング技術の開発が進められており,高感度センサーやAI技術を活用した維持管理手法の適用が展開している.本研究では,筆者らの先行研究で明らかにされた漏水音が有する時系列データの決定論的性質の違いに着目し,リカレンスプロット(RP)を活用して音の情報を2次元平面に可視化した.つぎに,可視化した画像を機械学習の入力データとし,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による漏水有無の判別モデルを構築した.CNNモデルによる漏水判別精度を比較した結果,90%以上の平均的中率が得られたことから,RPとCNNを組み合わせた本提案手法の有効性の高さを確認することができた.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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