2020 年 76 巻 7 号 p. III_269-III_276
クロロエチレン類汚染地下水の生物学的浄化におけるグルコン酸の水素供与体としての利用可能性を検証するため,グルコン酸を主成分とする薬剤を用い,クロロエチレン類(トリクロロエチレン,cis-1, 2-ジクロロエチレン,クロロエチレン)汚染地下水の浄化実証試験を行った.その結果,2度の薬剤注入により,620日で全てのクロロエチレン類を地下水環境基準以下まで低下させることができ,グルコン酸がクロロエチレン類脱塩素化の水素供与体として有効であることが確認された.また,グルコン酸の注入が地下水質に与える影響は一時的であることも示された.クロロエチレン類脱塩素化に用いられる他の水素供与体と比較すると,グルコン酸はコスト,浄化速度,効果の持続性において優位性を有する可能性があり,有望な水素供与体であると結論付けられた.