2020 年 76 巻 7 号 p. III_403-III_410
粘土鉱物は加熱とともに吸着水,層間水などの脱水や粘土鉱物の分解,再結晶などが起こる.CsやSrは粘土鉱物に吸着するが,元素によってその挙動や強さが異なる.本研究では,粘土鉱物に熱処理を行い,粘土鉱物の構造変化がCs,Sr溶出特性に及ぼす影響について検討を行った.XRD測定では,熱処理を行ったカオリナイト,ディッカイト,モンモリロナイト,ハイドロバイオタイトで強度ピークが消滅したり,新たに生成するなど顕著な変化が見られた.CECにも変化があり,ほとんどの粘土鉱物が減少したのに対して,増加する粘土鉱物も見られた.熱処理した粘土鉱物中のCs溶出率は温度とともに減少し,Sr溶出率は温度によって増加する粘土鉱物があった.熱処理によって粘土鉱物の物理的,化学的特性に変化が生じ,これらの変化がCs,Sr溶出に影響を与えていることがわかった.